連続殺人の疑いが持ち上がっている東京都豊島区の無職の女(34)は、ネット上にたくさんの「足跡」を残していた。ネットの知識が乏しかったのだろうか、それとも何かの意図があったのか。
死亡した知人男性と出会ったのは、大手検索サイトが運営する結婚サイトだったし、41歳の男性が亡くなった現場で使われた練炭を、大量に購入したのもネットだ。確認できるだけでも複数の「足跡」を残している。
結婚サイトで男性20人と知り合う?
34歳の女は大手検索サイトが運営する結婚サイトに登録し、死亡した4人を含め複数の男性と知り合っていたという。2009年10月30日の朝日新聞によると、その数は20人にものぼる。学生や専門学校生といって身分を偽り、「学費を滞納している」と現金を要求していた。複数のテレビ局は、だまし取った金は少なくとも9500万円以上とみられている、と報じている。
結婚サイトは結婚紹介所を利用するよりも会費が安く、手軽に始められることから人気が高まっている。プロフィール欄に名前や住所、電話番号などの個人情報は表示されないが、会員になる時にサイトの運営者に免許証やパスポートの写しなどの本人確認できるものを提出しなければならない。結婚詐欺の容疑者を特定するのは容易で、埼玉県警は女と連絡をとっていた男性に話を聞いているという。なかには女と会って、「室内で気を失った経験がある」と話している男性もいるようだ。
女は03年にネットオークションでパソコンを売るとウソをついて、10万円をだまし取ったとして警視庁に逮捕され、9件120万円の余罪があったとして懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決が確定している。今回もネットがポイントになる可能性があり、知人男性が亡くなった現場で使われた練炭を女はネットで大量に購入したこともわかっている。
女のものと思われる料理レシピサイトのブログには、09年5月15日に死亡した80歳の男性らしき人物について書いている。
「明日は朝7時から介護のお手伝いがあります、と書きましたが、予定通り金曜日は早朝から、月に何度かお手伝いをしている80歳のおじいさまのお宅に伺いました」
と書き込んだのは、男性が亡くなった2日後の09年5月17日だ。