「政府の外にいる『知』を生かした形跡も見えない」
さらに連載では、中曽根政権下では「土光臨調」が行政改革で活躍したことなどを引き合いに、として、日本の歴代政権や現在の海外のトップには、シンクタンクやブレーンが存在していた(いる)ことを指摘。
「かつての政権は頭脳(ブレーン)のない案山子ではなかった」
「『脱官僚依存』の自縄自縛で官僚機構をシンクタンクとして使えず、政府の外にいる『知』を生かした形跡も表には見えない」
と、現状の政権が文字通り「脳なし」だと言わんばかりの強い調子で批判を繰り広げている。さらに連載スペースの左端には、マキャベリの「君主論」から
「君主の頭脳がどの程度のものかを推測する場合、まず彼の近辺にいる人間を見るのがよい」
という言葉を引用。政権を皮肉っている。
記事では財界で新政権に対する不安感が広がっていることを強調するが、「政権に対する評価を下すには時期尚早」との見方出ている。
元朝日新聞編集委員で財界の取材経験が長いジャーナリストの阿部和義さんは、
「確かに、民主党の経済政策には新しいものが見えません。『二番底』のリスクに対して、どのような対策を打ち出すのかも分かりません」
と指摘する一方、
「前原国交相が直面しているような『自民党政権が食い散らかしたものを何とかしないといけない』という段階なので、今の民主党にそこまで(経済対策を)求めるのは『無いものねだり』。米国でも、政権交代後100日ぐらいは『ハネムーン期間』と言います。年末~年明けぐらいまでは見守る必要があるのでは」
と話している。