「伊藤忠-ユニー連合」にとってもコスト削減は時間との戦い
ユニーは2009年春、提携関係にある大阪のスーパー「イズミヤ」、四国が地盤のフジと3社共同の共通PB商品の開発を発表したばかり。最大手のイオンやセブン&アイグループなど、全国に1000カ所以上の系列店舗を持つ流通グループが、巨大な販売力でPBの拡大や商品の低価格化を先導しているのに対抗し、地域連合を強化していく戦略だった。前村社長は「伊藤忠とは縦の関係、小売り2社とは横の関係。今後は縦と横が有機的に結びつくのではないか」と述べた。今春以降の相次ぐ提携が相乗効果を発揮することに期待した発言だ。
足元の個人消費の冷え込みはユニーにとって予想以上に深刻で、2009年8月中間決算は営業赤字に転落。4月に下方修正した11年2月期までの中期経営計画はさらに下方修正が避けられない状況。三菱商事との連携を深めるイオンや、「ドン・キホーテ」などのディスカウント量販店との競争は消耗戦に突入している。今回の提携は、「イオン-三菱商事」「丸紅-ダイエー」「住友商事-サミット」などに継ぐ商社・小売り連合だが、提携関係の濃淡はそれぞれ異なる。「伊藤忠-ユニー連合」にとってもコスト削減効果の実現は時間との戦いだ。