「ミクシィの仕組みを十分に知らず、こんな騒ぎに」
一方で、店長は、「誤解を生むし、社会的に問題があります。うちも迷惑しています」と話す。そして、このアルバイトを2009年10月29日付で解雇したことを明らかにした。
この騒ぎで、神戸市内の別のチェーン店の店長ブログにコメントが700件以上も殺到して炎上し、この店長がブログで29日、まったく無関係だとするお知らせを更新している。
神戸大学では同日、騒ぎを受けて、広報室がコメントを発表し、動画投稿者は同大の学生であることを明らかにした。
それによると、この学生は8月に数人のグループで、神戸・三宮駅前の広場でパフォーマンスをした。別の友人がホームレスに扮し、その一部をビデオに撮って、ミクシィにアップしたというのだ。ただ、友人だけで見る手続きをしたつもりが、全体に公開されてしまい、29日朝になって騒ぎに気づいたという。学生は、「ミクシィの仕組みを十分に知らず、こんな騒ぎにつながってしまい、申し訳ありません」と言っているといい、同大では、軽率な行為だとして、所属学部長が口頭で厳重注意した。
パナソニックでは、広報担当者がこの学生が内定者であることを認めたが、事実関係はまだ本人に確認している段階だという。確認が取れ次第、適切に対応するとしている。
ホームレス支援関係者によると、実際の襲撃は今も全国各地で起きており、若者たちが生卵を投げつけるのは珍しくない。学校でのいじめと構図は同じで、特定の弱者を攻撃することで仲間内の連帯感を高めているという。
支援団体の一つ「神戸の冬を支える会」では、動画の内容そのものにも問題があるとして、こう指摘する。
「こうしたことを面白がるようでは、ホームレスの差別につながりかねませんね。学生らの潜在意識に差別があるとみられても仕方がなく、こうした問題を今後、教育現場などで考えていかなければならないでしょう」