記者クラブ加盟社しか席は確保できない
なお、週刊現代の10月31日号では、
「クラブ側と地裁側の事前調整で、司法クラブ加盟15社に1つずつ席が用意され、準加盟の地方紙などを含め、21席が記者クラブ用に確保されている」
との全国紙司法担当記者の声が紹介されている。仮にこれが正しいとすれば、やはり傍聴席の過半数を記者クラブが独占していたことになる。
東京地裁の広報係によると、
「(法廷)取材の申請は、各社から個別に来ます」
とのことで、確かに記者クラブとして申請が行われている訳ではないようだ。いわば、加盟社以外でも取材の申請は可能だとの立場だが、実際に申請が行われた際の判断については、
「地裁で個別に判断することになるが、現実問題として難しいのでは」
と、やはり記者クラブ加盟社が特権的に法廷にアクセスできるという現状は変わらない様子だ。
さらに、一般向けの20席についても、メディア各社が業者に発注して1000人規模のアルバイトを動員、傍聴券の獲得に動いた。「記者枠」と「アルバイト動員」の2つの側面から、一般市民が有名裁判にアクセスするのは極めて困難になっているというのが現状だ。