産経「名物」女性記者退職 「会社の悪口言わない」誓約書を暴露

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   産経新聞の「名物記者」と言われる福島香織さんが退社する。本名でやっているツイッター上で、「実は私、もうすぐ失業します」と突如明かし、退社後は「会社の悪口いいません」という「誓約書」を書かされたとも暴露した。ネットでは、「新聞社が言論統制」や「このつぶやき自体がまずい」など賛否両論の声が出ている。

   産経新聞社のポータルサイト「イザ!」内でやっている記者ブログによると、福島さんは元中国総局の記者で、2002年から08年まで北京駐在。産経新聞社から『危ない中国』という書籍を出版するなど、中国に対しては一貫して批判的なスタンスをとっている。07年には「軍事機密にふれた覚えはないし、違法な手段で情報を取得した覚えもない」のに、外国人記者証が更新できず、国外退去になりそうな事態に発展。結局記者証は更新できたものの、「40年ぶりに産経記者が中国国外追放か!?」と話題になった。

ツイッターで「もうすぐ失業します」

福島香織さんのツイッター
福島香織さんのツイッター

   2008年秋以降は東京本社に勤め、総選挙で自民党が「下野」した後は新党日本と共産党を担当。また、「福島香織のあれも聞きたい」というコーナーでは、加藤紘一氏や田中康夫氏にインタビューをしている。

   そんな福島さんが産経新聞社を退社すると明かした。2009年10月20日、記者ブログとは別にやっているミニブログ「twitter(ツイッター)」上で「さっき、人事部で失業保険給付の説明をうけた」と投稿した後、

「実は私、もうすぐ失業します。11月30日付けで、会社やめます」

   10月21日にはブログも更新。家庭の事情などが重なったところに早期退職制度があり、利用することにしたという。「初めての失業経験です。どきどき」と綴っているが、退職金と失業保険があるので「じっくりリスタートの戦略をねることとします」としている。

「新聞社が言論統制ですか」

   これだけなら、著名な新聞記者がネット上で退職を表明しただけだが、20日、ツイッター上で、

「退職後、会社の悪口いいません、という誓約書にサインさせられたのには笑った」

と発言。これがネットユーザーの目にとまり、26日現在までに約70のはてなブックマークが付いている。

「新聞社が言論統制ですか」
「産経て思想的にはマッチョ大好きなのに肝っ玉はちっさー」

と、産経新聞社側を批判するもののほか、

「書かされたのこの人だけだったりして」
「このつぶやき自体まずいんじゃないの」

と、福島さんの発言自体に問題があるというコメントもある。賛否両論といった感じだ。

   元々福島さんはツイッター上でかなり「際どい」発言を投稿していた。「きょうは夕刊当番」「土曜夕刊はひまだ」と、1日の業務内容を呟いていただけでなく、記者クラブ制度についても「はっきりいって既得権益だから」とバッサリ。また、国会が始まった26日も「首相の所信表明演説は先週にエンバーゴ(報道解禁時刻)付きで配られているのだ」と暴露してしまっている。

産経新聞「服務規程内の対応をしました」

   だとしても、果たして「悪口いわない誓約書」は本当にあるのだろうか、ツイッター上で暴露しまくっていた彼女だけ特別に書かされてしまったのだろうか。産経新聞社の担当者は、

「服務規程内の対応をしました」

と語る。「悪口いわない誓約書」が存在するわけではないが、同社の規程には「記者として職務上知り得た個人情報などは、退職後公表してはならない」という規程があり、福島さんだけでなく、全ての退職者が規程を守るよう書類にサインをしている。「言論統制」と言われていることに関しても「そんな大層な話じゃありません。常識的に考えて秘密は秘密」とのことだ。

   また、福島さんが好き勝手書いているツイッターについては、あくまで福島さんが「個人的にやっているもの」だとしている。

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