民主党の小沢一郎幹事長は2009年10月26日の会見で、行政刷新会議で予算の無駄使いを洗い出す「事業仕分け」の作業チームに新人議員が多数選ばれたことについて、「まったく党が知らない間に進んでいたし、何をするのかという内容についてもよく分からない」と不快感を露わにした。
事業仕分けでは、衆参両院の民主党議員32人が10月21日に初会合を開き、活動を始めた。だが、8月の衆院選挙で当選したばかりの新人議員が14人含まれていることに党側が難色を示し、10月23日に予定された会合が突然中止された。その後、26日には平野博文官房長官が「基本的には2期生以上が望ましい」と発言し、新人議員をメンバーから外す考えを表明した。
「まったく党が知らない間に進んでいた」
このような一連の動きについて、小沢幹事長は、作業チームの人選のプロセスと作業内容の両方に問題があったと指摘。作業の内容については、
「分厚い予算書の項目をみて、これは何のやつだ、これはいいとか悪いとか、そんな判断はベテラン議員でもなかなか簡単にできる問題ではない」
と述べ、経験に乏しい新人議員が事業仕分けに関わっても成果を挙げられないのではないかという見解を示した。人選のプロセスについては、仙谷由人行政刷新担当相から党側への根回しが不十分だったようで、
「まったく党が知らない間に進んでいた。改めて説明を聞いて、相談したい」
と不快感を示した。
「民主党公約と矛盾するのでは」質問に答えず
また日本郵政の次期社長に内定した斎藤次郎氏(元大蔵事務次官)について、小沢幹事長は
「非常に腹のできた、優秀な次官だったと思っている」
と肯定的に評価。斎藤氏が小沢幹事長と非常に親しい関係にあると伝えられている点については、
「いろんな話があるが、私は報道の前日に話を受けただけ」
と人選への関与を否定。そのときの、亀井静香郵政・金融担当相とのやり取りについて次のように話した。
「(亀井担当相から話を聞いて)『政府部内は全部それでいいのか、了解なのか』という一言を申し上げました。そうしたら、『そりゃ、みな了解だ』ということだったものですから、それ以上は私の立場からはとやかく言うあれじゃありませんので、『ああ、そうですか』と申し上げました」
記者からは「脱官僚という民主党の公約と矛盾するのではないか」という主旨の質問も出たが、それについては明確には答えなかった。