本家と芸能人争奪戦
ともかく、こんな2匹目のツイッターは、どのように本家と渡り合うつもりなのか。
藤田晋社長のブログでは、ケータイなどを中心に、リテラシーが比較的低いユーザーを対象にしているようにも読める。また、日経IT Proの記事によると、芸能人の利用からフォロワーを引き出す戦略があるという。アメブロは芸能人など6000人ほどの著名人が利用しており、その1割が「アメーバなう」に参加する見通しというのだ。
こうした点について、サイバーエージェントの担当者に聞くと、大筋でその意図を認めた。
「ツイッターは、リテラシーが高い人が利用していますが、そうでない人もアメーバのユーザーになっています。私どものユーザーにもつながる可能性があると考え、ミニブログを始めることにしました。芸能人については、今後変更の可能性がありますが、参加していただく企画段階にあります」
米ツイッター本社は、毎日新聞の2009年10月21日付記事によると、日本でも著名人の認証アカウント制度を年内に始めるという。とすると、アメブロからの芸能人流出を阻止するのもミニブログの狙いなのか。これについて、担当者は「藤田は敵対することを望んでいません。伸びていく市場ですので、お互いに利益を享受できたらいいと考えています」と否定した。
「Twitter社会論」を近く出版するメディアジャーナリストの津田大介さんは、「アメーバなう」についてこうみる。
「アメリカでは、ツイッターでの芸能人の発信が増えています。日本でもブームが本物になり、芸能人が流出する恐れがあるので参入したのでしょう。ツイッターには、ユーザー同士がコミュニケーションするSNSの機能がないのですが、アメブロにはそれがあります。アメーバなうにも、チャットを入れるなどして会話を楽しめるようにするのではないでしょうか。日本のツイッターは、ユーザーがまだ100~200万人と一般に浸透していないので、アメーバなうが一般のユーザーを獲得する余地はあると思います」
ただ、ミニブログは、短期間にアクセスが集中しやすいため、サービスを運営するのが難しい。その負担を技術的にどうクリアするのかが課題になるという。