岡田克也外相は2009年10月23日の会見で、沖縄の米軍普天間基地移設について「県外というのは事実上選択肢として考えられない状況だと思う」と述べ、県内移設が望ましいとの見解を明確に示した。さらに、県内移設論は「内閣の見解ではなく、個人的な見解」と断りながら、移設先の候補として、日米間で合意している辺野古沖(キャンプ・シュワブ)と、嘉手納基地への統合の2つの案をあげた。
県内移設の理由として「時間が限られている」という点を強調。「県外とすると、現在の普天間の固定化につながりかねない」として、「これから議論しないといけないプランではなく、議論してきたプランのなかで議論するのが、結果的に沖縄の負担を減らすことになる」と話した。
「嘉手納統合案のほうが時間的には早い」
鳩山由紀夫首相や北沢俊美防衛相らとの閣内協議については「私と同じ認識を共有できるようにしたい」と述べた。県内移設とすると連立与党を組む社民党の反発も予想されるが、「この案と決めたわけではないが、連立与党と話していかないといかない」と説明した。
嘉手納統合案については、「すでに滑走路はあるので一から作るものではない。時間的に早いという意味では、現在のキャンプ・シュワブ案よりも早いとも思う」と肯定的に評価。「米国からは難しいと聞いており、地元の市長・町長が反対している問題もあるが、検討したい」と話した。
民主党は2008年7月に発表した「沖縄ビジョン2008」で、「県外移転の道を模索すべき」と記し、国外移転の可能性についても言及している。その点との整合性について、岡田外相は
「沖縄ビジョンでは確かに県外・国外と書いているが、マニフェストにはそう書いていない。表現が変わっているということは、それなりの意味も込められている」
と弁明した。