大阪府の橋下知事も採用凍結は断念
08年10月には、09年度から4年間を「緊急財政再建期間」と定めて、行財政改革を加速させる方針が打ち出されている。こうやってみていくと、今回の措置でもたらされる「年に2億円節約」は、「焼け石に水」のように見えるが、古田知事は
「思い切ったスリム化ですよ。『ありとあらゆることをやる』ということのひとつ」
とも述べ、採用の凍結が、あらゆるコストカット策のひとつに過ぎないことを強調した。
今回の岐阜県以外の事例としては、岡山市が07年度からの3年間新規採用を凍結し、市職員を9%削減する計画を進めているほか、大阪市が、06年2月に決定した「市政改革基本方針」の中で、06年度から「一般行政職の新規採用は5年間は凍結」と打ち出した例などがある。もっとも、大阪市では、計画が決定した後の07年、「5年も新規採用がないのは考えられない」などと訴えた平松邦夫市長が当選を果たしたため、方針転換。09年度から、少人数にしぼった上で再開された。
都道府県レベルでは、大阪府の橋下徹知事が08年12月11日、人事制度改革に関連して「部局からきちんとして人事戦略が出てこなければ、採用を凍結する」と述べ、凍結を示唆したものの、結局09年度の採用試験は実施されている。今回の岐阜県のように、凍結が現実味をもって語られるのは異例で、財政難の他の自治体が追随する可能性もありそうだ。