都道府県レベルで史上初? 岐阜県が新卒採用凍結

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   景気後退の影響で民間企業が相次いで新卒採用を見送る中、これまでは「公務員は安定している」と言われてきた。ところが、財政難の岐阜県が、2011年度から、新卒採用を2~3年にわたって凍結する方針を打ち出したのだ。自治体が新卒採用を凍結した例としては、大阪市や岡山市があるが、都道府県単位で凍結に踏み切るのは異例だ。

   岐阜県の古田肇知事は2009年10月23日、報道陣に対して

「原則的に2~3年の間は、新規採用を見送らざるを得ない」

と述べ、教員・警官などを除いた一般行政職の新規採用を2011年度から2~3年間凍結する方針を明らかにした。

岐阜県の財政は「火の車」

   県の人事課によると、1年目の職員にかかる人件費が1人あたり約360万円で、毎年の採用人数を見ていくと、07年度が66人、08年度が78人、09年度が86人。10年度も61人の採用が内定しており、おおむね60~80人で推移している。そのため、県では、採用の凍結で、少なくとも年に2億円のコストカットが可能になるとみている。

   この背景には、現在の岐阜県の財政の「火の車」ぶりがある。08年度時点での県債の残高は、過去最高の1兆2986億円で、公債費比率は17.4%。収入の6分の1が借入金の利払いや元本の返済に消えている形だ。さらに、09年度以降、10年間にわたって毎年400億円程度の財源不足が発生するものとみられている。このことから、「このままいくと、財政健全化計画の策定などを求められる『早期健全化団体』に転落するのでは」との指摘もある。

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