「つぶやき」をアーカイブ化した点に意味がある
もっとも、現段階で生成されている「ノート」は、いわゆる「授業ノート」のようなものではなく、内容は授業の「実況」に近いのが実際のところだ。
だが、サイト上の発表資料によると、すでに
「小学校の頃にやった、紙を回しあったり、筆談したりしていたことをもっと有意義にしたものって感じだなぁ」
「コミュニケーションを取り入れることで、楽しくいつもよりも集中して授業受けられた」
といった声がつぶやかれているという。
この取り組みについて、SFC出身でツイッターや携帯電話に詳しいジャーナリストの松村太郎さんは、ツイッターが急速に広がった背景について、
「今の大学生にとって、グーグルやウェブのサービスは、気付いた時には『すでにあったもの』。つまり、ウェブは『やり尽くされた感』があったのですが、これを打ち破って『自分たちでも新しいものが作れる!』という感覚を約10年ぶりにもたらしてくれたのがツイッターでしょう。新しいものをすぐ実装し、利用者もすぐに新サービスに付いてくるあたり、学生の順応力の高さを感じます」
とみる。その上で、今回の取り組みについては、
「『実況』と言えば、その通りなのですが、通常だと流れ去っていく『つぶやき』をアーカイブ化したという点に意味があると思います。『パッケージ化されていない学びの場を、どのようにして可視化するか』という点では、あまり世界でも例にない取り組みなのでは」
と高く評価している。