新商品発表会の様子をつぶやいて「実況」するなど、様々に活用法が広がっているツイッター(Twitter)が、新たな展開を見せている。「デジタルキャンパス」として知られる大学キャンパス内で、授業中に学生たちがつぶやいて議論・記録した内容を、教室・時間帯ごとに区切って「ノート」として公開する、という試みが始まったのだ。
スタートからわずか数日にして、ネット上では注目度が急上昇している。ノートと言えば、友だちのものをコピーさせてもらうのが一般的だったが、遠くない将来、これが様変わりする可能性もありそうだ。
慶應環境情報学部4年生の学生が立ちあげた
ツイッターをめぐる新たな取り組みが行われているのは、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)。キャンパス内ニュースサイト「SFC CLIP」が学生100人に聞いたところ、ツイッターを利用していると回答したのは40人で、「ツイッター率」は世間一般よりもかなり高いと言えそうだ。09年10月16日には、NHKの「ニュースウォッチ9」が、SFC内でツイッターが活用される様子を特集。ツイッター上で呼びかけて初対面の人同士が集まって議論する様子や、教授が、授業中にツイッター上に流れる反応を授業の参考にしている様子などが紹介された。
今回注目されているサービスは、10月19日にスタートしたばかりの「sfcnote」。サイト上の説明によると、「学生同士が、授業内容について意見をより活発に共有することで、創発的な授業、キャンパスを創りあげていく」ことや「キャンパス内外のコラボレーションの活性化」を目的に、同大環境情報学部4年生の学生が立ちあげた。
仕組みは比較的シンプルで、教室ごとに「ハッシュタグ」と呼ばれる記号を設定。授業中、教員の説明に対して学生が同じ教室でつぶやいた意見などを一覧できるようにする。その上で、教室ごとのつぶやきを「1限」「2限」といった授業のコマごとに区切り、「参加者が共同で作ったノート」が完成するという仕組みだ。10月22日現在、
「本日3限、SFCで一番盛り上がった教室はε22のようです! 24項目が書き込まれました!」
といったように、一番「つぶやき」が多かった授業がどこかを自動的に表示する機能も備わっている。