郵便局に「年金扱い窓口」設置 銀行界は亀井プランに猛反発

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9割方は郵便局で口座をつくる?

   年金専門の担当者を配置して年金相談に応じるほか、受給開始時には、年金受給者から委任状をとって社会保険事務所に出向いて手続きを代行。年金をもらい忘れている人がいないよう情報を提供して該当者を見つけ出したり、さらに年金受給が始まれば、毎年の誕生日に花束をプレゼントしたり、温泉旅行のバスツアーなどのイベントを催したりして取引を継続してもらうなど、年金受給口座の獲得やつなぎ止めに多くのコストを割いている。

   東京都内の大手信金の幹部は、郵便局で年金手続きができるようになれば、その際に受給口座も指定できるので「9割方は郵便局で口座をつくる」と予測。「ゆうちょ肥大化」は必至という。

   それでなくとも、ゆうちょ銀行には未だに「国営」のイメージがあって民間金融機関より信用力が高い。ゆうちょ銀行の預金量は民営化によって減ってきているとはいえ、09年6月末時点で約178兆円にも上り、メガバンクの三菱東京UFJ銀行(MTUB)の122兆円を軽く上回る。しかも、ゆうちょ銀行はこれらがすべて個人預金で、MTUBの個人預金(63兆円)の2.8倍にあたるのだ。

   民間金融機関の経営が不安になるほど預金が集まりやすく、そうした傾向は地方ほど強い。ある信用組合の役員は「年金層の取引は多く、(郵便局への窓口設置は)死活問題になりかねない」とうなだれる。

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