郵便局に「年金扱い窓口」設置 銀行界は亀井プランに猛反発

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   新政権の郵政改革の一環として全国の郵便局に「年金窓口」を設置しようという、亀井静香郵政改革・金融相のプランに銀行界が猛反発している。年金受給手続きが郵便局の窓口になると、その年金を受け取る口座がゆうちょ銀行になるというカラクリ。それによって、再び「ゆうちょが肥大化する」のを警戒しているのだ。

   郵便局ネットワークを活用した、郵便、貯金、保険のサービスを一体化して全国で公平に提供する、郵政事業の見直しへの基本方針が2009年10月20日に閣議決定。「小泉、竹中の逆をやればいい」という亀井プランが動き出したが、その一つに「介護」「年金」がある。

「どうやら亀井さんは銀行をつぶすつもりらしい」

郵便局の「年金窓口」は実現するのか?
郵便局の「年金窓口」は実現するのか?

   年金の受給手続きは原則、受給者本人(予定者を含む)が社会保険事務所の窓口に出向いて行うことになっている。しかし、事務所は東京都でも32か所と少ない。年金記録ミスの確認に、何時間も待たされた人が現れるのも無理からぬ数だ。

   民主党は社会保険事務所と税務署を統合する案を唱えているが、税務署を含めたとしても郵便局の2万4000のネットワークには及ばない。身近な郵便局で年金受給に関する事務手続きや確認作業ができるようになれば、こうした窓口の設置コストを抑えられるし、なにより利便者利便が向上する。

   このプランに、銀行界は猛反発。2009年10月に開かれた地方銀行の頭取級が集まる会合では、「返済猶予に、年金窓口。どうやら亀井さんは銀行をつぶすつもりらしい」と、怒りの声が漏れた。

   「ゆうちょ銀行はもはや民間銀行のはずで、一民間企業にそこまで便宜を図るのは許されないこと」(大手地銀の幹部)と、反発の声は止まない。

   そもそも、銀行や信用金庫・信用組合にとって年金取引は、給与振込口座の指定とともに預金獲得の「要」。どの金融機関でも年金受給口座の獲得を預金の中心的な取り組みに位置付けている。

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