「通報の女性に不安や卑わい感を与えた」
この事件が実名報道されると、2ちゃんねるやミクシィなどでは、裸になったり、触ったりしていたわけではないなどとして、逮捕に疑問の声が出た。「人気のない場所でやれ」と理解する向きもあるものの、「注意くらいにすりゃいいのに」といった書き込みが出ている。
港署の副署長は、こうした声に対し、次のように説明する。
「公園内にいた親子は特定していませんが、通報の女性に対しては、不安を覚えさせる卑わいなことをしていました。公共の場所で、足を開いてパンツを丸出しにするのはありえません。逮捕したのは、2人に証拠隠滅や逃亡の恐れがあったからです。女の方は、住所不定で、当初は『金をもらっていない』『パンツOKしていない』と否認していました。また、男の方は、大筋を認めていましたが、職業が自称で、犯行の背景も調べる必要がありました」
同署では、近く家宅捜索も行うという。
こうした問題に詳しい奥村徹弁護士は、大阪府警の逮捕にはある程度理解を示す。
「背景には、公然とパンチラをしたり、お尻を触ったりすることはおかしいとする社会通念があり、条例もこのことを禁じています。この事件では、被害者の女性が迷惑だと同意しているとすれば、卑わいな行為に当たります。現場の状況にもよりますが、女性の逮捕には理由があり、男性は認めているといっても女性と共謀しています。ネットで約束していたとしたら、証拠隠滅の恐れから逮捕することもあるでしょう」
無断で女性のお尻をジーンズの上から撮影することは迷惑防止条例違反に当たるとする最高裁の判例があり、この点からも逮捕について争うことは難しいとしている。
ただ、条例上の「人」をモデルの女性と解釈して、違法ではないと一つの主張として争うことはできるという。また、2人を未だに拘留していることに対して、異議を唱える余地はあるとしている。
もっとも、パンチラ撮影を許すには、条例を変えるしか方法がないようだ。