「政界の克也」が「球界の克也」にエールを送った。プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズが始まる2009年10月16日、楽天の野村克也監督に向けて、岡田克也外相が「最後の力を出し切って優勝してください」と激励のメッセージを述べた。
楽天は球団創設5年目でリーグ2位に躍進。初のクライマックスシリーズ進出を果たし、日本一になる可能性を残した。ところが球団は当初の契約通り、野村監督に今期限りの退任を通告し、同監督を憤慨させている。
そんな傷心の老監督に向けて、同じ名前をもつ岡田外相が励ましの言葉を送った。
「楽天はいい投手がいるから、十分チャンスがある」
幼少期は巨人ファンだったというが、今は年ごとに応援する球団を変えている。2009年は「名前が一緒で親近感もある」ということで、野村監督の楽天を応援。楽天がクライマックスシリーズ進出を決めると、
「野村監督のもと、無名の選手が非常に多いなかで、しっかり力をつけて頑張り、クライマックス・シリーズ出場まで決めたことは、私にとりましても大きな喜びです」
とブログに書いた。楽天が快進撃を続けて日本シリーズに進出すれば、セ・リーグ覇者の巨人と対決する可能性が高い。クライマックスシリーズ初日の10月16日の定例会見で、記者が野村監督へのメッセージを求めると、岡田外相は
「最後の力を出し切って優勝してください、ということに尽きますね。巨人と戦って優勝してください。楽天はいいピッチャーを持っているから、十分チャンスがある」
と激励の言葉を口にした。また、野村監督が弱小チームを飛躍させたにもかかわらず退任通告を受けたことについては、
「それぞれの球団にはそれぞれのお考えがあると思いますが、私も残念に思っている一人です」
とコメントした。いつも沈着冷静な表情で「ロボコップ」というニックネームもあるほどの岡田外相だが、このときばかりは笑いながら答えていた。