「就活で人間力を養う」という考え方
一方、「就活で人間力を養う」という考えが、企業側にも芽ばえつつある。日本ヒューレット・パッカードをプロジェクトの推進役に、就活を応援している「SHUKATSU It's ME応援委員会」が10月8日に開催した「SHUKATSU It's ME SCHOOL ~内定力養成講座~」には約70人の学生が集まった。
このイベントは、就活学生に自分自身を見つめてもらい、「個性」と若々しい「創造力」を再発見してもらうことが目的。講座では、相手の心を揺り動かすことのできる力、「信用」を得る力を養おうとアドバイスした。講座終了後には、学生と社会人との意見交換も行われた。こうした活動に、学生も「自分磨きのセミナーであれば、早いうちからやっておいても損はない」(3年生男子)と、歓迎のようだ。
参加した学生に就活について聞くと、「周囲をみても早くから動いていて、正直ちょっとあせっています」(私大3年生)と、不安げな声が漏れる。大学からも「今年は早いから」と言われ、尻をたたかれたという。
解禁初日に、25社にエントリーしたという男子学生は「もう、めちゃくちゃ不安」と訴える。「就活を意識しはじめたのは1年前くらいから。SPI模擬試験も受けましたし、自己分析などはネットで簡単に、客観的に判断してくれるサイトがあって、悪いところを指摘してくれる。企業研究もネットで情報収集。ふだんはそんな感じです」と話し、就活で頭がいっぱいの様子。
不安をかき消すために、企業や大学が開くセミナーに積極的に参加していることもあるようだ。