歴史や戦国武将ファンの若い女性たち、通称「歴女」。彼女たちの楽しみの一つは、武将ゆかりの地へと足を運ぶことだ。そんな中で、今、注目が集まっているのが、関ヶ原の戦いで「西軍」を率いた石田三成。滋賀県長浜にある三成の「生家」に観光客が詰めかけているが、その7割は女性だ。
「三成手形」販売、ゆかりの地めぐる「三成バス」も運行
石田三成は豊臣秀吉に仕え、豊臣政権下では実務を担う「五奉行」の筆頭格として活躍した武将だ。秀吉の死後、1600年にあった関ヶ原の戦いでは、「西軍」の実質的な指導者として戦をすすめた。だが、天下をとったのは「東軍」徳川家康だった。その後、三成は家康によって、処刑される。41歳だった。
三成ゆかりの地は、滋賀県・長浜にある。長浜では現在、NHK大河ドラマ「天地人」放映中とあって、街をあげて、「北近江戦国浪漫フェスティバル」と題したイベント企画が実施されている。ドラマの主人公・直江兼続と三成とが盟友関係だったことにちなんだ。なお、三成は、若手俳優の小栗旬さんが演じている。
長浜ではイベントの一貫で、関連の観光施設を割引料金で入館できる「三成手形」を販売し、好評だという。ほかに人気があるのは、10月・11月の週末限定で運行している、三成ゆかりの地をめぐる「三成バス」だ。バスは、JR長浜駅を出発して、三成の出生地「石田会館」を経て、観音寺、長浜城歴史博物館をめぐるプラン。2時間20分かけてまわり、1日に2回運行される。1000円で利用できる。
とりわけ、人気があるのは「石田会館」だ。ここは、三成の生涯を描いた絵巻のパネル、自筆書状のコピーなどが展示されていて、入場無料。そして、敷地内には石碑、三成の銅像や屋敷跡の堀があって、写真スポットとなっている。入館者数は2008年は週末でも1日に10人以下だったのが、今では30人程度。それ以上が集まることもある。7割が女性客という。2~3人の若いグループ客が大半だが、中には北海道から一人で訪れた人もいたそうだ。