アニメ「化物語」売り切れ店続出 「けいおん!」超えで「完全限定版」増産

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   人気アニメ「化物語」のDVDとBlu-ray Disc(BD)第1巻の週間売上げが合計で4万4000枚となり、社会現象にも発展したアニメ「けいおん!」の週間売上げを上回った。もともとテレビ放映中は「面白い」と評判の高かったアニメなのだが、「けいおん!」に比べれば地味。発売元のアニプレックスも「予想を大きく上回る売れ行きだ」と驚き、「完全限定版」の増産を始めている。

「買えなかった多くの人に迷惑が掛かってしまった」

   「化物語」は原作が西尾維新氏のライトノベル作品。5つの物語で構成され、「吸血鬼もどきの人間」になってしまった高校生「阿良々木暦」が様々な少女と出会い、彼女達に関わってくる「怪異」(化け物)を払うといったストーリーだ。数話ごとに違う少女のストーリーが始まり、オープニングもその都度新しくなった。「語り」が多く、小説を読んでいるような感覚も味わえる。2009年7月からよりUHK系やBSJAPANなどで12話放送された。

   DVDとBlu-rayの発売は09年9月30日だが、売り切れ店が続出。「アマゾン」などのネットショップでは予約が一時打ち切られ、「予約したのになかなかDVDが届かない」といった苦情も出た。発売元のアニプレックスは、

「予想を大きく上回る売れ行きになり、買えなかった多くの人に迷惑が掛かってしまった。完全限定版として売り出したものについても増産をしています」

と驚いている。

   オリコンの調査によると09年10月12日付けのDVD&BDランキング(9月28日から10月4日まで)ではBDの「完全生産限定版」が2万9000枚売れてトップに。2位の「クローズZEROⅡ」の7000枚を大きく引き離した。ちなみに「化物語」はDVDとBDの合計が4万4000枚。社会現象にもなり09年最大のヒットと言われたアニメ「けいおん!」の週間売上げ4万1000枚を超えた。

   なぜこれだけ売れたのか。もちろん、作品の素晴らしさがありテレビ放送中も人気だったわけだが、SNS「ミクシィ」や、ネットショップ「アマゾン」のレビューを見ると理由の一端が伺える。定価は完全生産限定版のBDで7350円と他のアニメ作品とあまり変わらないのだが、それでも「安い」というのだ。

コメンタリー部分の工夫にファンが感激

   安さの理由はDVDやBDに付いている「特典」。まず、オープンニングテーマ曲が付属のCDにフルコーラスで入っている。通常のアニメならオープニング曲はCDで別売されるが、「特典」として付けた。また、CDには声優がアニメについて語るコメンタリーも収録されている。その他に、テレビ放送の最後に出したイラスト「エンドカード」がジャケットサイズで2枚入っている。ケースにも工夫がされていて、タイトルや文字を外装のフィルムに印刷、その下に描かれている絵は全て見えるようになっている。ほかでは手に入らないものだ。レビューには、

「これだけ付いて、この値段。もってけドロボー!てな感じですw しかも、作品自体の質も最高。品薄になっているようですが、売れるのは当然でしょう」

などと書かれている。

   また、特典として前評判が高かったものがあり、これが相当に購入者の満足度を高めているようだ。一般的なアニメのDVDやBDには、音声の別チャンネルで「オーディオコメンタリー」という声優や制作スタッフの会話が収録されている。作品に対する感想などを語るものだが、「化物語」ではそれを付けなかった。代わりに原作者の西尾氏が新たに物語りを書き下ろし、それを出演した声優達が出演した役のまま、作品を見ながら演じる、という仕様にした。その結果、「違った作品」として再度楽しめるようになっている、などというレビューも出た。

   アニプレックスによれば、従来なら別に発売するはずの主題歌CDを付けたり、コメンタリー部分を工夫したのも新たな試みだったという。これらが販売本数にどんな影響を与えているかはわからないが、購入者から、買って満足したという声が多数寄せられている、と話している。 

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