「返済猶予制度」原案固まる 亀井氏「追加融資もさせる」

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運転資金を貸さないということはさせません!

   だが、不況で苦しむ中小企業には福音と思える返済猶予制度も、金融機関や納税者にとっては「想定外の負担」を強いることになりかねない。さらに救済対象の中小企業のすべてが両手をあげて歓迎しているわけではない。東京都内の出版系中小企業の経理担当者は

「長年経理に携わってきた者からすると、焼け石に水にすぎない。むしろ返済猶予をすると負債が減らず、企業の財務体質は改善しにくくなるので、金融機関からの資金調達が困難になるだけではないか」

と疑問を投げかける。フリー記者向けの会見でも、英フィナンシャル・タイムズの記者から「最終的に問題を先送りするだけで、どこかにしわよせがくるのではないか?」という質問が出たが、亀井担当相は「そんなことはわかっている」とばかりに堂々と答えた。

「ローンの返済を猶予したからといって、新しい事業展開をしていくための資金だとか、運転資金を貸さないということはさせません! 中小の金融機関の貸し出しが不自由にならないような手当てをいま一生懸命、検討しているところなんですよ」

   亀井担当相のプランでは、金融機関に返済猶予を認めさせるだけでなく、追加融資も断るなというわけだ。そうなれば当然、金融機関の経営を圧迫することになる。ある銀行関係者は、

「返済猶予というが、金融機関に対する強制力はどの程度なのか。そこがポイントになる。銀行は返せる見込みがあれば待つこともできるが、その見込みがない貸し出し先に『待て』と言われても、それはできない相談。債権が毀損して最終的に困るのは預金者だから、貸せない人には貸せませんよ」

と困惑した様子で語る。金融機関の経営が苦しくなったら公的資金で救済すればいいという安易な道筋もみえるが、その財源はどこからもってくるのか。

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