「有料化で成功するのは、深い分析が加えられた記事」
アプリを開発したイースト・コミュニケーション事業部の加藤一由樹課長は
「指で画面をはじくだけで簡単に次の記事が読めるなど、アイフォーンらしい操作性を工夫した。画面が縦置きのときは通常の新聞記事で、横置きにすると写真ニュースに切り替わるというように、エンターテインメント性も意識している」
と、他のニュースコンテンツとの違いを強調する。
「無料のニュースサイトがライバルだが、ユーザー2万人の獲得を目指したい。メディア企業には、これを記事有料化の一つのモデルとして認知してもらいたい」
と他のメディアとの提携にも意欲を示し、いわば携帯サイトにおけるNTTドコモのiモードのような展開を期待している。
しかし、携帯電話の公式サイトをのぞけば、インターネットでは「ニュース記事は無料で読むもの」という認識が一般的だ。記事を提供する共同通信は「米国ではニュース記事の有料化の動きがあるので、日本でも同じことが起きるのではないか」と目論むが、はたしてうまくいくのか。
新聞業界に詳しいジャーナリストの佐々木俊尚さんは
「米国でウォールストリートジャーナルなどがネット記事の有料化で成功しているのは、専門性が高くて、深い分析が加えられた記事を提供しているためだ。それに対して、通信社が配信している記事は他の無料サイトでも読めるものがほとんど。あえて有料で読もうという読者は少ないのではないか」
と懐疑的な見方をしている。