契約金を要求された時点でおかしいと疑うべき
ドロップシッピングはサイトの運営者が在庫を持たずに商品を販売する方法で、アメリカで広がり、日本では05年からサービスを提供する業者が出てきた。商品管理、発送、代金決算などは業者が行い、サイト運営者はレイアウトや商品説明を考えたりする。商品が売れたら、販売価格と仕入れ値の差額分がサイト運営者の懐に入る。ネットショップを出すのと違って、在庫を抱えなくて済むというメリットがあり、不況下で副業として手を出す人が急増した。
そこを逆手に取った悪質業者が増えている。「ドロップシッピング」で検索すると、「月商800万円稼げる」「1日15分から稼げる」とうたう業者がたくさんヒットし、しかも「ヤフー」や「グーグル」のスポンサーサイトとして載っている。
ある業者は複数のプランを用意していて、契約の際に数十万円から200万円の契約金を取っている。ホームページの作成や検索エンジン最適化(SEO)などの費用だと説明されている。この業者にJ―CASTニュースが問い合わせたところ、担当者は結局、取材に応じなかった。別の業者は、「担当者が不在でいつ戻るかわからない」の一点張りだった。
迷惑を被っているのは、消費者だけではない。
ドロップシッピングの草分けで30万人の会員を誇る、もしも(東京都渋谷区)の実藤裕史代表取締役は、
「基本的にドロップシッピングは無料で、契約金を要求された時点でおかしいと疑うべきだと思います。大阪弁護士会や東京都消費生活センターと連携して、悪質業者への警告を行っていますが、知識がない人ほど被害者になりやすく、被害が後を絶たない状況です。スポンサーサイトとして掲載しているポータルには、掲載を控えるようお願いしていますが、聞き入れてもらえません。これだけ被害が出て問題にもなっていますし、引き続きお願いしていきます」
といっている。
業界団体、日本ドロップシッピング協会では近日中に行われる総会で、認証制度を設けて優良業者を明確にすること、被害者相談窓口を設けることを議題として提出し、09年11月からの実現を目指している。