「全部民主党に協力って訳にもいかなくなる」
さらに、政府が赤字国債の発行を視野に入れていることについても、批判を強めている。鳩山由紀夫首相は、総選挙時の8月18日の愛知県内で行った演説で
「国債というものをドーンドン発行して、税収よりも国債の方が多くなるような無駄遣い天国をつくって、最後に国民の皆さんに負担を求める。こーんなバカな政治をやめたいんです!みなさん!」
と、赤字国債の発行に否定的な見解を示していたが、景気後退にともなう税収不足で、事実上の方針転換に踏み切ることになるからだ。
橋下氏は10月6日、記者団に対して、この方針転換を
「理念が、ものすごくぶれていると思うんですね。なんか政権をとって、ちょっと勘違いしてるんじゃないか、って感じがしますけどね」
「これはもう、大ウソつきというか、えらいことになると思う」
などと批判。
「もしこれをやるんだったら、僕自身も、全部民主党に協力って訳にもいかなくなるでしょうねー」
とも述べ、あからさまに民主党に距離を置く姿勢を示した。
現在の大阪府政の大きな争点の一つが、橋下氏が推進している府庁の「大阪ワールドトレードセンタービル」(WTC、大阪市住之江区)への移転問題。09年3月の府議会では「拙速」などの理由から大差で否決されたものの、9月下旬に開会した9月府議会で「再挑戦中」。再び否決された場合には、知事を辞職して出直し選挙で信を問うことについて含みを持たせた発言をしてもいる。橋下氏は、現時点では府民の高支持率に支えられているものの、自民・公明の支持を受けて当選を果たしたという経緯もある。各党との距離感の取り方が、WTC移転問題、ひいては橋下府政の今後を左右することにもなりそうだ。