「中小企業対策は財政出動でやってもらうしかない」
金融政策面での配慮すら求められかねない状況に、日銀は「金融政策でできるのは、銀行が貸し出しをしやすい条件と整えるところまで。中小企業対策は財政出動でやってもらうしかない」(幹部)と予防線を張る。しかし、政府が中小企業の資金繰り対策を進めている時期に、金融引き締めと受け止められかねない出口戦略の駒を進めれば、政府の反発を招く懸念もある。
そうした中で、日銀が企業の資金繰り支援として実施しているCPや社債の買い取りを12月末で解除する検討に入ったと一部で報道された。亀井金融担当相は10月6日の会見で、「日銀は時々、寝言みたいなことを言う」と猛反発。モラトリアム法案を提唱している亀井氏としては、「とんでもない」というわけだ。
奇しくも、亀井金融相は自民党政調会長を務めていた2000年8月、ゼロ金利解除を決定した日銀に対し批判の論陣を張ったこともある「因縁の関係」。景気の下ぶれから中小企業経営がさらに圧迫されることが想定される中、日銀の対応によっては、政府による日銀批判が強まる可能性もある。