中国で「日本留学ブーム」 「恵まれすぎ待遇」に疑問の声

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   中国で日本留学ブームが起きていると、現地の人民日報などが報じている。背景には、日本政府の留学生30万人計画で、入国制限が緩和されていることもある。ただ、日本は依然、深刻な不況下にあるだけに、受け入れ拡大には疑問の声も出ている。

中国の日本留学斡旋所が、連日大盛況

留学熱を伝えるレコードチャイナの記事
留学熱を伝えるレコードチャイナの記事

   このところ、中国のニュースで、現地の留学熱を伝える記事が増えている。

   中国ニュースの通信社「レコードチャイナ」によると、中国共産党機関紙の人民日報は2009年9月29日付サイト記事で、日本の留学生30万人計画をきっかけに中国で留学ブームが起きていると報じた。このブームで、09年4月の留学ビザ取得率は前年同期より12.5%、留学希望者そのものも20%増えたという。

   また、シンガポール華字紙「聯合早報」は8月13日、吉林省のある日本留学斡旋所が連日大盛況で、そこの日本語学校は学生が2倍にも増えたと報じた。同紙では、日本大使館でのビザ取得率も、30万人計画の影響で50%から100%になったともしている。

   30万人計画とは、2008年7月に当時の福田康夫首相が、世界とのつながりを深めるグローバル戦略の一環として策定した。日本留学試験を海外でも受けられるようにしたり、大学の学生宿舎確保を支援したりするなどして、現在の12万人から2020年をめどに計画を実現するという内容だ。

   中国人の日本留学者は、統計的には、ここ1、2年、中国国内の大学数増加などから数がやや減っている。しかし、最近の留学熱で再び増加に転じる可能性がありそうだ。

   留学需要を見込んだ業者の動きも出ている。賃貸アパート大手のレオパレス21は09年9月14日、中国に現地法人を設立し、上海・北京で営業を始めたと発表した。「立ち上がったばかりなので、留学生への紹介は40件弱ですが、2009年度末には300件ほどにしたい。自社アパートへの中国人入居者は、この10年で2倍以上に増えているんですよ」と広報室では言う。

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