20~30歳代の女性の3人に1人が、体を洗う際にスポンジやタオルを使わずに、「手」で洗っている。その理由は「肌に負担をかけない」「乾燥させない」ためで、顔と同じようにボディケアに気をつかう女性が増えている。
全体の63%が「スポンジやタオルでゴシゴシ洗う」
ライオンは20~30歳代の職を持つ女性500人に「体の洗い方」に関する実態調査を行った。
96%の女性が「毎日、体を洗う」と回答し、そのうち「1日に2回以上洗う」という人は6%だった。
体の洗い方については「手で洗う」と答えた人が29%で、3人に1人が「手洗い派」であることがわかった。その理由でもっとも多かったのは、「肌に負担をかけないため」(83%)。「乾燥を防ぐため」(35%)、「美肌のため」(24%)、「敏感肌だから」(23%)と続き、「肌のため」という回答が目立った。
「手洗い派」になったきっかけは、「雑誌で『手で洗う方が肌に負担が少ない』と読んだ」「『顔も手で洗うように、体も手で洗う方がよい』という美容家の人の話をきいたから」で、1~2年前から手で洗っているという人が多い。
効果については、2人に1人が「乾燥が気にならなくなった」(48%)と回答。「肌がしっとりした」(24%)、「潤いがアップした」(21%)という人もいる。
一方、全体の63%が「スポンジやタオルでゴシゴシ洗う」と答えていて、その理由は「さっぱりするから」(62%)、「習慣だから」(53%)、「汚れがよく落ちるから」(47%)というもの。ところが、ゴシゴシ派の72%が「体をゴシゴシ洗うと、肌に負担がかかる」とも答えていて、「肌によくない」と感じながらも続けているようだ。調査は2009年9月4日に行い、9月30日に結果を発表した。
「Yahoo!知恵袋」に「皆さんは体をどうやって洗ってますか?」という質問が9月30日に投げかけられた。
「30代女性です。私はここ10年くらい、手洗い派です。肌が弱いのもありますが、固形石鹸(無添加)をよく泡立てて使っています。夏は背中などの皮脂が沢山出やすい部分のみ、綿かシルクのタオルで洗います」
という回答が書き込まれている。
別の「手洗い派」は、目の粗いタオルと洗浄力の強いボディソープを合わせて使うと、気がつかないうちに「皮脂(膜)」をそぎ落とし、アトピーやその他の皮膚のトラブルを誘発する原因になっている、と指摘している。
「石鹸の泡の力で十分汚れはとれる」
「手洗い派」は女性に多く、ここ数年、ボディケアが注目されていることと関係していそうだ。ドラッグストアや量販店ではいろんなボディケア用品が売られているし、はじめから泡で出てくるボディソープも大手メーカーから発売になっている。
ところで、皮膚科では以前から手で体を洗うことを指導している。
ほりき皮膚科クリニック(東大阪市)では、洗浄剤を充分に泡立てて手や綿のタオルで軽く洗うことを勧めている。ホームページによると、ナイロンタオルは肌に刺激を与え、スポンジは中で細菌が増殖して皮膚に感染症を引き起こすことがある。ゴシゴシこすらなくても「石鹸の泡の力で十分汚れはとれる」。
ただし、洗浄剤を泡立てずに直接皮膚につけたり、石鹸を皮膚の上でこすったりすると、「皮脂の膜」が奪われて炎症を起こしやすく、注意が必要だ。
山田皮膚科医院(島根県出雲市)も、充分に泡立てて手や綿のタオルで軽く洗い、網目のタオルやスポンジなどはバリアを破壊しやすいので使わないことと呼びかけている。
2年前から「手洗い派」という30歳の女性会社員は、
「『泡立てネット』でたっぷりの泡をつくり、手でこすらないようにして洗っています。何回か泡立てる必要があって面倒だと思うこともありますが、ナイロンタオルを使っていたときよりも乾燥によるかゆみがなくなり、肌の調子がよくなったので続けています」
といっている。