甲類と乙類をブレンドさせた焼酎も売れてる
焼酎には酎ハイやサワーに用いられる甲類(連続式蒸留)と、麦、芋、米を原料としロックやお湯割りで飲む乙類(単式蒸留、本格焼酎)がある。
国税庁のアルコール消費量調査によると、焼酎はビール(ビール類含む)に次いで多く、甲類、乙類を合わせた消費量は04年が9億8307万リットル、05年9億8854万リットル、06年10億22万リットル、07年10億478万リットルと年々、伸びている。
「本格焼酎では芋焼酎『黒霧島』に勢いがありますね。あとは、アルコール度数が25度、1.8リットルで1500円前後のものが売れています。一方、同価格の日本酒の場合、アルコール度数は15度です。焼酎のほうがお得感があるというのも、不景気でウケがいい理由だと思います」
関東で酒類の大型店を展開する河内屋酒販(東京都江戸川区)の商品部酒類部長は、こうみている。
「最近、目だって売れている」というのは、甲類と乙類をブレンドさせた甲乙混和焼酎だ。大手酒造メーカーが作っていることが多く、アサヒビールの「かのか」やオエノングループの合同酒精「麦盛り」などがある。
河内屋酒販の酒類部長は、
「アルコール度数25度、1.8リットルで1000円前後と、本格焼酎に比べて3割ほど安く、さらにお得感があります。クセがなく切れ味のある味で、冷やして飲むのに向いていて、都市部を中心に売れています」
といっている。
ただ、焼酎なら何でもかんでも売れているというわけではなさそうだ。
「売れているのは、値頃価格、ブランドイメージ、健康志向の3点とも当てはまる商品で、明暗がはっきり分かれています」(河内屋酒販)
帝国データバンクの焼酎メーカー売上高ランキングで売上高1位だったのは、麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(大分県宇佐市)。ところが前年比0.1%減と、4年連続でマイナスだった。帝国データバンクは、「芋焼酎の市場拡大や大手酒類メーカーの参入などの影響を受けた」と分析する。3位の芋焼酎「さつま白波」など展開する薩摩酒造(鹿児島県枕崎市)も同2.5%減で、「関東、関西方面への出荷が伸び悩んだ」としている。