記者会見のオープン化 総務省や金融庁も動き出す

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記者クラブとの間に「賃貸契約はなく、無償で部屋を提供している」

   このような大臣からの要請に対して、記者クラブ側は対応を迫られている。いずれの省庁も「まだ検討段階で、クラブ側の結論は出ていない」とのことだが、総務省記者クラブの幹事社である時事通信の記者はJ-CASTニュースの取材に対して、

「できれば来週(10月5日~9日)に総会を開いて、クラブとしての対応を検討したい。現時点ではクラブ以外のメディアはオブザーバーとしての参加しか認められず質問権がないが、そのようなルールの見直しを含めて協議したい」
と語った。

   一方、ひとあし先に記者会見の開放を実現させた外務省では10月2日、オープン化されてから2回目となる外相会見が開かれた。前回は初回ということで外国人特派員協会の記者たちが「ご祝儀」的に参加していたが、今回はその姿もなく、前回よりやや少ない約60人の記者が顔を並べた。

   会見は、沖縄・普天間基地の移設問題や週末に予定されている、日メコン外相会議の話題を中心に淡々と進んだが、記者クラブについての質問も出た。外務省の建物には記者クラブ所属の記者が仕事をするための「記者室」があるが、クラブは外務省と賃貸契約を結んで使用しているのか。フリーランスライターの畠山理仁さんがたずねると、岡田克也外相は

「賃貸契約はなく、無償で部屋を提供している」

と回答した。根拠として、1958年に大蔵省の管財局長が出した通達をあげ、

「常時取材にあたる記者に対する活動拠点として記者室を提供していることについては、庁舎の目的外使用にあたらないという判断をしている」

と、半世紀以上も前に出された「前例」を踏襲する見解を示した。現時点ではその判断を見直す考えはない、とのことだ。

   外相会見には、毎日新聞と琉球新報で15年間新聞記者をした経験をもつ森暢平・成城大学准教授も参加していたが、「これで終わってしまっては意味がない」と指摘する。

「大臣や副大臣の会見が開放されたとしても、非公式の記者懇談会には依然として記者クラブ加盟社しか参加できないという問題がある。また外務省だけでなく、総理官邸や他の省庁に広がっていかなければ、本当のオープン化とはいえないのではないか」
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