悪質万引きに損害賠償請求 全国で100店以上が実施

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賠償請求の効果で、被害が半減も

   北陸地方などでディスカウント店20店を出すPLANT(福井県)は、三洋堂書店と同様の損害賠償請求を2008年7月から始めた。ここでも、悪質な万引きに手を焼いている状態だ。

   ある店舗では09年9月下旬、プリンター用インクカートリッジや化粧品が棚からゴッソリ盗まれた。カゴに大量に積んでそのまま買った顔をして出て行く「カゴ抜け」という手口らしい。防犯カメラには、大人の男が映っており、見張り役をつけるなどグループでの犯行だった。従業員が少ない夜を狙っており、被害総額は30数万円。警察に被害届を出しているが、まだ捕まっていない。

   ただ、万引きの損害賠償請求を続けた結果、09年7月までに255件、計140万円が支払われた。督促などをしており、9割近くが応じたという。万引きに厳しいとの評判が地域に広がり、万引きGメンの調べで、被害も半減した。PLANTの総務担当者は、「お金をもらうのが目的ではなく、万引きをさせないのが目的です。粗利の薄いディスカウントストアでは、死活問題ですからね」と話す。

   万引きがこれだけ深刻化している背景には、モラル低下の問題があるようだ。

   最近は、親が子どもに万引きを強制させたり、子どもが万引きした店にクレームをつけたりするケースが相次いで報じられている。全国万引犯罪防止機構によると、最近、子どもからこんなメールが来たというのだ。

「親が万引きしてしまいました。どう対応したらよいですか」

親を拘束した警察が、自宅に電話をかけてきたらしい。

   同機構の調べでは、万引き犯に損害賠償請求する書店などは、全国ですでに100店以上に上る。首都圏ではまだ聞かないというが、今後ますます増えていきそうだ。

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