「他県に分析され不利になる」 山梨高野連が高校野球放送を中止

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   山梨県の高校野球連盟が、24年続いていた秋季関東高校野球山梨大会のテレビ中継を中止させたことがわかった。試合が放送されると他県の野球部に分析され、関東大会本戦で不利になる、という理由からだ。このテレビ局には毎年試合を楽しみにしていたファンから苦情が寄せられている。

9月初旬に文書で「放送は遠慮してほしい」

   秋季関東大会本戦には山梨大会の決勝に進出した2校が出場する。ケーブルテレビ局「日本ネットワークサービス」(NNS)は1985年からこの大会を中継。09年秋は準決勝、決勝を放送する予定だった。09年7月末にいつものように放送許可を同県の高野連に申請したところ、9月初旬に文書で「放送は遠慮してほしい」と回答があったという。

   山梨県は高校野球ファンが多く、番組のスポンサーも付いていた。毎年楽しみにしていたファンからは「なぜ中継を止めるんだ」という苦情が寄せられているという。山梨県の決勝は09年10月11日に行われる。

   山梨県高野連によれば、秋季大会を放送しているのは8都県のうち山梨県と群馬県だけ。それもあって以前から、試合を放送すれば関東大会本戦に進出する高校野球部の情報が漏れて、不利になるのではないか、という意見が高校側から出ていた。2年前から理事会でオフィシャルな議題として取り上げられ、今年は中継の許可を出さなかった。ただし、夏の大会は今後も継続して中継を許可。秋については、今回不許可したことへの学校側などの反応を見ながら、来年どうするか検討したい、としている。

「負けるのは情報不足よりも実力がないから」

   こうした山梨の対応について、他県の高野連はどうみているのだろうか。東京と埼玉は「秋の試合が放送されないのはテレビ局が扱ってくれないからで、高野連としては放送をお願いしたいくらいだ」と口を揃える。

   テレビ放送で高校野球を広く知ってもらえるし、放送があれば高校球児の励みにもなる。録画して高校時代の記念にも残せる、といいことばかりだ。一方、テレビ放送で野球部の情報が他県に漏れることについて、ある高野連関係者は、

「ビデオに録画して対戦校を研究する野球部もあるかもしれませんが、それで勝てるほど高校野球は単純ではありません。負けるのは情報よりも実力がないからです」

   別の関係者も、

「対戦相手の情報が欲しい野球部は、ビデオカメラを持って試合球場に来る。だから、テレビ放送があってもなくても、あまり関係ないのではないでしょうか」

などと話している。

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