1編成あたりの車両数を1~2両減らす
業績悪化の影響は、すでに利用者にも及んでいる。JR四国では9月1日から、普通列車の車掌を運転士が兼ねる「ワンマン運転」の割合を35.8%から38.2%に引き上げたほか、一部の列車については、1編成あたりの車両数を1~2両減らしている。列車の運行本数を減らさずにコストカットを図る苦肉の策だが、春のダイヤ改定を待たずに運行計画を変更するのは異例で、同社のせっぱ詰まった様子がうかがえる。
そのような状況を受けて、JR四国では9月28日、役員報酬と管理職給与の一部をカットすることを発表した。カット幅は松田社長を初めとする取締役が5~10%で、課長級以上の管理職員約100人が、管理職手当のうち10%。期間は、いずれも09年10月~12月の3か月。ただし、今回の措置で削減が見込める額は900万円程度。収入の落ち込みに比べれば「焼け石に水」だ。地方の道路の無料化が現実味を帯びる中、四国に限らず、JR各社は、当分は苦しい経営を迫られそうだ。