「本来は救済合併を仰ぐしかないが、引き受け手がいるかどうか」
アイフルは資金繰り悪化による経営不安説がたびたび流され、窮状の打開策に選んだのが事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)。これは、国が認定した民間の第三者機関が仲裁役となり、再建案を策定する。従来の私的整理よりも協議がまとめやすく、法的整理と比べ「倒産」の印象が受けにくい。08年秋から運用が始まり、コスモスイニシア(旧リクルートコスモス)などやラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ)が利用した。アイフルはグループ全体の正社員をほぼ半減の約2500人とするなどのリストラ策をまとめ、主力行の住友信託銀行やあおぞら銀行などに債務返済猶予の同意を取り付けたい考えだ。
ただ、アイフルは10年3月期連結決算で3100億円の大幅赤字に陥る見通し。主力行は「メーンバンクとして支える」とはしているが、「ビジネスモデルとしての将来性はない」(幹部)との厳しい見方がくすぶる。米格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、アイフルの格付けを実質的な「デフォルト」に引き下げた。市場関係者の間では「私的整理を終えたとしても、生き残っていけるのか」「本来は救済合併を仰ぐしかないが、引き受け手がいるかどうか」といった見方がささやかれ、最終的に法的整理に追い込まれる可能性が取りざたされている。