缶コーヒーの定番と言えば、コーヒーと砂糖、ミルクがバランスよく入った、「スタンダード」タイプだった。ところが、近年「微糖・ゼロ系」タイプが人気を集め、販売シェアでも05年の10.8%から08年には23.8%と急成長中だ。背景には健康志向の高まりに加えて、ヘビーユーザーも飽きさせない、「味わい多様化」に対応した「つくり込み」があった。
「微糖・ゼロ系」がランキング上位に顔を見せる
「コク」で競う。缶コーヒーは「微糖」の時代に
缶コーヒーは、「スタンダード」と「微糖・ゼロ系」、「ブラック」、「カフェオレ」の4つのカテゴリーに分類できる。いわゆる「スタンダード」タイプはこれまで缶コーヒー市場のけん引役だったが、ここ数年は「微糖・ゼロ系」タイプが急追している。
現在、それぞれのシェアは「スタンダード」が40%、「微糖・ゼロ系」が25%、「ブラック」20%、「カフェオレ」15%程度と推定され、2008年度の「微糖・ゼロ系」の国内市場規模は04年度と比べて約3倍伸びた。「スタンダード」と「微糖」の販売額の差は05年の4254億円から、08年は1302億円と急激に縮まっている。ちなみに、2008年度の缶コーヒー全体の売り上げは約8000億円だ。
ブランド別売上げをみると、08年度のベスト5のうち、「ジョージア ヨーロピアン微糖」(日本コカ・コーラ)が452億円(販売シェア5.9%)で全体の第2位、「ボス 贅沢微糖」(サントリー)が284億円(同3.7%)で同第4位にランクインした。 「スタンダード」タイプの「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド」(日本コカ・コーラ、656億円、第1位)や「ボス レインボーマウンテンブレンド」(サントリー、315億円、第3位)を脅かすほどの人気だ。