公費出張で取得したマイル使用 自治体で対応分かれる

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   いわゆる「居酒屋タクシー」問題から1年あまりが経ち、中央官庁では「公費出張で貯めたマイルは次の出張に使う」ことでルール化が進んでいる。一方、都道府県レベルでは、マイル取得の自粛を求めるところがある一方、「マイルの取得自体は奨励し、ある程度たまったら無料航空券に引き替えるように通知する」という対応をする自治体もあり、対応方針は割れている。

佐賀県は3年間で約260万円経費節減狙う

羽田-佐賀は18往復で無料航空券がもらえる計算だ
羽田-佐賀は18往復で無料航空券がもらえる計算だ

   公務員のマイル取得をめぐっては、2008年夏に議論が活発化した。08年6月、国家公務員が公費で乗ったタクシーからビールや商品券などを受け取る、いわゆる「居酒屋タクシー」が「公費の私的利用」などとして問題化したのがきっかけだ。当初は、中央官庁職員の出張に伴うマイルの取得・利用を自粛する方針だったが、08年7月には、「出張旅費を安くする道を閉ざすのも、もったいない」(町村信孝官房長官・当時)と、マイルを有効活用する方向に転換。08年7月29日、「公費出張で貯めたマイルは次の出張に使うこと」をルール化する通達を各省庁に出している。政府は公務員のマイルを一括管理できないか模索したが、航空会社側は「マイルは乗客個人に付与されるもの」だとして、難色を示しているのが現状だ。

   都道府県レベルに目を向けると、自治体ごとに対応が分かれている。公費出張でマイルを貯めることについて自粛を求めているのが、山形、東京、愛媛、熊本など。その理由は、「私的利用が疑われるので一律に自粛」「管理が煩雑」といったものだ。

   一方、「マイルを貯めることは奨励し、マイルで取得した無料航空券で出張経費を節約したい」と狙うのは、佐賀県だ。佐賀県の試算によると、羽田空港-佐賀空港を、佐賀空港に唯一乗り入れている全日空の「特割」で18往復すれば、1往復分のマイルがたまる。そこで、08年7月から、空路でマイルの有効期間の3年間に18往復以上した職員には、次回出張で無料航空券を使うように求める通知を送るようにした。約1万2000人(教育委員会を含む)いる県の職員のうち、これまでに通知が送られたのは40人。県の職員課によると、「佐賀空港の利用促進という面もある。あくまでも『協力ベース』だが、制度として定めている以上、きちんと運用していきたい」とのことだが、該当する職員全員が協力に応じた場合、3年間で約260万円の経費節減が見込めるという。

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