社民党から入閣した福島瑞穂消費者・少子化担当相の発言がぶれまくっている。補正予算見直しに関する見解が1日で変わり、「削らない」から「決定したわけではない」と前言を翻した。「子ども手当」で所得制限を設けるか否かに関しても、数日で考えを大きく変更している。
1日で「削らない」から「決定したわけではない」
鳩山首相は閣僚に09年度の補正予算を見直し、執行停止する事業を2009年10月2日までに報告するよう指示。これを受け、福島大臣は2009年9月24日午前、政務三役会議を開催した。自殺対策(100億円)、地方消費者行政強化の基金(110億円)、ドメスティックバイオレンス(DV)対策の支援(1300万円)の3分野を管轄しており、会議の後、
「新政権は命を大事にする政治を実現しようとしているので、基本的に削らない」
と述べ、この3分野に関しては執行停止の対象としとしない方針を表明した。
しかし、同日夕方に再度三役会議を開いた際は、「決定したわけではない」と述べ、引き続き議論した上で10月2日に結論を出す方針を示した。1日のうちに「削らない」から「決定したわけではない」に転換したわけだ。
党の方針と違うことを打ち出す?
福島氏の発言は他でもぶれている。「子ども手当」政策に関してだ。
「子ども手当」は、中学生以下の子どもを対象に、1人あたり月額2万6000円を支給するというもの。年間予算は約5兆円で、民主党は衆院選でこの「子ども手当」を「高速道路無料化」と並ぶ目玉政策として掲げていた。
民主党案では全ての子ども支給対象にしており、所得制限は設けていない。しかし、福島氏は19日に放送された読売テレビの番組中で、「貴重な財源なので、所得制限を設けるかどうか悩ましい。政権の中で議論していきたい」と発言。21日放送のテレビ朝日の番組でも「社民党は今の段階で所得制限は必要と考えている」と明言し、「所得制限するメリット、しないメリットをしっかり考え、閣僚委員会で協議したい」としていた。
だが、22日には「手当の性格上、できるだけ全ての子どもを応援する方がいい」と完全に考えを変更。「高額所得者に支給しないことで事務費にお金がかかるのであれば、コストパフォーマンスとしてよくない」と述べている。
ちなみに、社民党も衆院選時にはマニフェストで『子ども手当』を掲げていた。18歳までの子ども1人当たりに月額1万円(第3子以降は2万円)支給するというもので、マニフェストには所得制限に関しての記述はない。「書いていないので、(所得制限する、しない)どちらともとれますが、(社民党)内部では設けていません」と明かす社民党関係者もいる。もしそうならば、福島氏は党の方針と違うことを打ち出したわけで、「福島氏の暴走」といった声も党内から聞えてくる。