新型インフルウイルス除去めぐる ダイキンVS三洋の「世界初」競争

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   新型インフルエンザウイルスをめぐり、ダイキン工業と三洋電機がウイルス抑制・除去効果で業界一番を目指し、「世界初」の熾烈な競争を繰り広げている。

ウイルスに対する除去効果は宣伝できない

   ダイキンはこのほど、「ストリーマ放電」と呼ばれる同社の空気清浄機技術が同ウイルスを100%分解・除去する実証実験に成功したと発表した。空気清浄機が同ウイルスを100%分解・除去するのは世界初という。

   新型インフルエンザを巡っては、三洋電機が2009年8月、同社の空気清浄機などに用いる「電解水技術」がウイルスを99%以上抑制することを実証したと既に発表している。わずか1%の違いだが、三洋電機はウイルスの抑制効果を工業製品で実証したのが世界初と主張。ライバルのダイキンは「100%分解・除去は世界初」とアピールしており、両社とも業界一番乗りを目指し、「世界初」競争を繰り広げている。

   ダイキンが発表したストリーマ放電技術とは、プラズマ放電の一種で、従来品は同社が2004年に開発。既に空気清浄機やエアコンなどの商品に搭載している。今回、新型インフルエンザウイルスを100%分解するとした改良型のストリーマ放電技術は、09年9月11日に発売した加湿空気清浄機など3機種に搭載している。

   しかし、薬事法など現行の法制度では、新型インフルエンザなどウイルスに対する除去効果を宣伝できるのは医療機器に限られるため、空気清浄機など工業製品は効能をアピールできない。実証実験の公平さを期すために、ダイキンはベトナム国立衛生疫学研究所、三洋電機は群馬県衛生環境研究所と共同実験を行った。本来であれば、両社とも公的機関との実証実験の成果を商品の宣伝に使いたいところだろうが、できないのが現実だ。飽くまで空気清浄機という商品でなく、搭載している技術が同ウイルスの抑制や除去に成功したという実証実験の結果を淡々と発表するしかない。

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