金正日・正雲「親子不仲説」 NHK「特ダネ」本当なのか

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   北朝鮮の金正日総書記の三男・正雲氏が後継者として有力視される中、「正雲氏が父親に黙って軍の人事に介入したことに父親が怒り、親子であつれきが起こっている」とNHKが伝えた。これと前後して、北朝鮮のナンバー2が、後継者問題について「現段階では議論されていない」と述べたことから、後継者問題に異変が起きているとの観測も浮上している。実際のところはどうなのか。

「軍部の人事に介入し、これが金総書記の怒りを買った」

   正雲氏をめぐっては、2009年に入ってから、後継者としてその存在が伝えられるようになり、6月には、スイス留学時代の写真も報道された。さらに、09年春ごろからは、後継者を称えたとみられる行進曲「パルコルム(足音)」が平壌で歌われるようになったとされる。歌詞には「我ら金大将の足音 2月の精気 振りまき前へ」という箇所があり、「金大将」が正雲氏、「2月」が金総書紀のことを指すとみられている。

   そんな中、「『パルコルム』が、ほとんど歌われないようになった」と伝えたのが、09年9月23日夕方のNHKニュースだ。情報源は「北朝鮮に詳しい韓国の複数の消息筋」だとされており、「正雲氏が09年7月頃、金総書記に無断で軍部の人事に介入し、これが金総書記の怒りを買った。そのため、金総書記は正雲氏を称える動きを中断するように指示し、『パルコルム』が歌われなくなった」などと伝えている。

   最近の正雲氏の動向を見ると、ナンバー2にあたる金永南・最高人民会議常任委員長は、09年9月10日、共同通信のインタビューに対して、後継者が正雲氏に決まったとの報道について

「まったく事実無根で、ばかげた虚偽報道。後継者問題について、現時点では議論されていない」

と否定してみせたほか、米オバマ大統領は9月20日のCNNテレビとのインタビューで、

「(訪朝した)クリントン元大統領の評価によれば、金総書記は、かなり健康。権力も掌握している」

と発言。後継体制作りを急ぐ必要はなくなったとの見方を示したことから、「親子不仲説」が真実味を帯びてくるとも言えそうだ。

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