並盛より小さいどんぶりが相次いで登場している。牛丼、定食チェーンの松屋は牛丼と豚丼の「小盛」を、牛丼チェーンのすき家は「プチ牛丼」と「プチカレー」を発売し、売れ行きは上々だ。価格は100~200円台と手ごろで、サイドメニューとしても人気がある。
牛丼、豚丼、カレーが100~200円台
松屋は「牛めし」と「豚めし」に「小盛」サイズを加え、2009年7月16日から発売している。
ごはんと肉の分量は並盛の6割5分と少なめで、牛めしが並盛に比べて90円安の290円、豚めしが50円安の270円だ。店内で食べる場合は味噌汁も付く。
松屋フーズの広報担当者は、
「以前から小さめサイズを作って欲しいという要望がありました。小盛は女性やお子さんにちょうどいいサイズとなっていますが、定食と一緒に注文する男性のお客さまもいます」
と話している。
売れ行きは牛めし小盛が並盛の3分の1、豚めし小盛は並盛の5分の1程度となっている。
さらに小さいサイズも登場した。
ミニサイズの牛丼(270円)を展開するすき家は、もっと小さい「プチ牛丼」を8 月12 日から販売している。ごはん、肉とも並盛の4割程度の量で150 円だ。
ゼンショーの広報担当者は、
「プチは子ども用の茶碗に軽く1杯分の量で、ちょっとおなかがすいた時や、小食の女性、お子さんにぴったりです。もうちょっと食べたいという時にサイドメニューとしてもご利用いただいています。おにぎり1個分の値段なので、気軽に注文する方が多いようです」
といっている。
8月26日から「プチカレー」も販売している。ライス、ルーともに並盛りの4分の1の量で130円。これもサイドメニューとして人気がある。
女性客取り込み、客単価を上げる狙いも
日本フードサービス協会によると7月の外食売上高は全体で前年同月比1.8%減で依然として厳しい。ファーストフードは同比2.0%増だったが、ファミリーレストランは5.2%減、パブ居酒屋は4.5%減だった。
相次いで小さめサイズを投入している背景には、女性客や子連れ客を取り込むほか、サイドメニューとして提案することで客単価を上げる狙いがありそうだ。
ゼンショーが展開する牛丼チェーン「なか卯」で親子丼のミニサイズ(390円)を2月に発売したところ、OL客が増えたという話もある。しかも小うどん(200円)と一緒に注文する女性が多く、「ミニミニセット」と呼ばれて密かなブームになっている。