スウェーデン発の世界的衣料品チェーン「H&M(へネス・アンド・マウリッツ)」が2009年9月19日、「H&M SHIBUYA」を渋谷区宇田川町にオープンさせた。渋谷・原宿エリアには多数の最先端で低価格な「ファストファッション」ブランドが出店しており、国内外のブランドがしのぎを削ることになりそうだ。
開店前に行列850人
H&M渋谷店を取り巻く長蛇の列
10時の開店前には約850人もの人々が行列をなし、中には京都から家族連れで来たと話す人もいた。H&Mジャパンのカントリーマネージャー、クリスティン・エドマンさんら3人がテープカットを行い、待ちわびていた人々が一斉に入店。目当ての売り場へと足を運んでいった。
アパレル店に良く通っているという行列の先頭集団にいた20代男性は、
「各国のデザイナーが集まっていて魅力的。ファッション誌などを読んでいても気になるブランドです。かといって価格帯も安く、並んででも来たいと思いました」
と話す。ただ原宿店にも行ったという別の20代男性からは「他のブランドと比べてメンズ商品がやや少ないのが気になった。1フロアしかなかったので」という声も聞かれた。
FOREVER 21や「キットソン」も
開店後、店内をみて回る人々
渋谷・原宿エリアにはZARA(ザラ)、GAP(ギャップ)、H&M原宿店などがあり、09年4月には米ブランドFOREVER 21(フォーエバー21)が、9月6日には「キットソン」2号店がオープンするなど、外資系衣料チェーンがしのぎを削っている。一方でユニクロは新宿や銀座で大型店を出店するなど都心で攻勢を続けているが、渋谷にはまだ2店舗。だが、渋谷・道玄坂にある「ザ・プライム」へ来10年春までに大型店舗の出店を予定していることを09年9月に開いた事業説明会の中で明かしており、今後の競争激化が予想される。
H&Mは08年9月、銀座に日本1号店を開設。11月に原宿店、そして09年9月には横浜ランドマーク店、ららぽーと新三郷店を相次いでオープンさせた。日本5店舗目となる渋谷店は、点在していたオフィス機能を集結させた「旗艦店」となり、国内で最大の2800平方メートルの売り場面積を誇る。今後も09年11月に新宿、来10年春には大阪・心斎橋と続々の出店が予定されており、日本での基盤を磐石化する構えだ。