大幸薬品にクックパッド、三菱総研 IPOは「少数精鋭」で株価好調

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件数少なく、希少価値に個人投資家が注目

   リーマン・ショック後の金融危機による株式市場の混乱を考えれば仕方のないところだが、市場や証券会社による上場審査の厳格化や、市場の混乱から計画どおりの十分な資金が調達できないこと、企業業績が悪化して株式の公開基準を満たさないことが、IPOが減っている原因だ。

   しかし、潮目は明らかに変わった。流れをつくったのは2008年12月17日にマザーズに上場したグリーだ。同社の上場以降、「個人投資家の物色が増えてきた」(前出の証券関係者)という。

   IT系として注目されていたグリーだが、その後も情報通信のソケッツや料理レシピの投稿・検索サイト、クックパッド(いずれも、マザーズ)が続いた。新型インフルエンザの流行を受けて伸びているのが大幸薬品(東証2部)や、医療機器メーカーの大研医器。クリエイトSDホールディングスやアインファーマシーズは医薬品・化粧品販売と、「医療」をテーマとする銘柄は人気だ。

   こうした注目度の高さが上場後の株価にも反映されている。

   野村証券の元村正樹氏は、「市場や証券会社などの審査基準が厳しくなる中で上場を果たした企業なので、投資家は売り出し前から注目していて評価も高い。リーマン・ショックから1年が経ったが、投資家心理が上向いてきた中で、IPO自体の件数が少なく希少価値であることも買いが集まる要因」とみている。

   株式市場全体が上向いて、「企業業績が回復してくれば、IPO件数も増えてくる」という。

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