酒井法子被告(38)の謝罪会見を見たほとんどの人は芸能界復帰の第一歩と受け取ったはずだ。引退するなら元事務所やレコード会社の幹部が会見に立ち会うはずなどない。酒井被告自身、謝罪しながら「新しい出発」を強調していた。要は今後に注目してほしい、というわけだ。芸能評論家も「復帰は当然でしょう」という。後は時期の問題だけなのか。
謝罪会見、あえて各局に映りたかった?
酒井被告の復帰を打診する映画関係者、出版社関係者もいるらしい
酒井法子被告の保釈が決まり、東京湾岸署の玄関前に姿を見せたのは2009年9月17日、午後4時半のことだった。酒井被告はこの時、一言だけ詫びを語り、それを言い終えると、口角をやや持ち上げた笑みを一瞬みせた。用意された車に乗り込む瞬間にもまた、微笑がこぼれた。
そうして、酒井被告は午後6時半、謝罪会見に挑む。東京湾岸署を出たときの地味なパンツスーツがこの時、ジャケット姿にかわり、化粧もやや厚めにしていた。スポーツ紙の報道では、スタイリストらが用意されていたらしい。
こうした一連の酒井被告の様子について、芸能リポーターの井上公造さんは、日本テレビ系情報番組「スッキリ!!」(09年9月18日放送)で謝罪会見の印象を問われ、「間違ってはいけないというか、きっちり準備されている」と話した。その上で、井上さんは彼女の様子をこう見た。
「(芸能界)復帰ということを考えないんだったら、お化粧をやり直したり、服を着替えたりする必要性ってあります?」「単に謝罪をするだけなら僕は、すっぴんでもいいと思うし、着替える必要性もないと思う。やっぱり女優としての顔がどこかにあるから復帰というものがないと、そういう発想にはならないと思う」
しかも、会見の時間は午後6時半に設定されていた。この時間は、民放ではニュース番組の時間帯だ。結局はテレビ東京以外が謝罪会見を生中継し、およそ10分あった一部始終を流したのだった。井上さんは「あえて各局に映りたかった。そこには何か意味があるとしか僕には思えないんですよね」。
大麻で半年、覚せい剤で1年で復帰?
コメンテーターのテリー伊藤さんも番組で、酒井被告の芸能界復帰の見方に、「これだけの数字を持っていますし、テレビ局もいつかは使ってきますよ」「(ただ、)彼女が復帰までにどのような生き様をみせていくか、そこをみている」と話した。
一方、芸能評論家の肥留間正明さんはJ-CASTニュースに対し、芸能界復帰を見据えたやり方ではないかという見方に「当然でしょう」と指摘する。
「(装いを変えて出たのは)彼女は今後のことを考えれば、みっともない姿で出て行くわけにはいきません。彼女にしたって罪をつぐなったあとは、生きなくちゃならないわけですから。これからまた頑張るとすれば芸能界しかないでしょ。職業を奪う権利はありませんしね。もっとも、いかに反省していくかが彼女の課題だとは思いますが」
そんな中で、サンケイスポーツ(9月18日付け)は、彼女を復帰させたいという映画関係者がいることや、複数の出版社が本人の手記出版の打診があるようだ、と報じている。
肥留間さんはこれに、「知名度がある彼女を使わない手はないと思いますよ。判決が出て、罪をまっとうできた時期であればその後、何らかの動きは当然あるでしょう。ただし、私は、酒井さんが夫と暮らしていくというのはよくないのではと思います。また何かを勧められるのではないかと心配ですね」と話している。
さらに、肥留間さんは酒井被告の復帰の時期について、「芸能界では昔から、大麻で半年後、覚せい剤で1年後と言われています」とコメントしている。なお、詐欺罪に問われた音楽プロデューサー・小室哲哉氏の場合は、執行猶予5年の有罪判決が09年5月11日に言い渡された3か月後の09年8月22日、野外音楽イベントのゲスト出演でステージ復帰を果たしている。