「中国はGEにとっても私にとっても第二の家だ(China is second home not only for GE but also my」
米GE(ゼネラル・エレクトリック)の副社長でGE チャイナの社長を務めるマーク・ノーボン氏は2009年9月11日、中国・大連の世界経済フォーラム年央総会(サマー・ダボス)の分科会の討論を終えて、こう心境を語った。GEの4-6月の中国での売り上げは前年同期比31%の伸びを記録、46%増のインドと並んで大きな伸びを見せているから無理もない。
「中国で特に良いのは、インフラと環境、ヘルスケアの三事業だ。しかしGEの全売り上げに占める中国の比重はまだ3%、これをできるだけはやく10-15%に持って行きたい」と鼻息は荒い。
GEの4-6月期の純利益は前年同期比47%も減って26億7000万ドル(約2500億円)に留まった。3四半期連続の減益で、景気低迷の影響は不振の金融をはじめ、全部門で減収に陥った。売り上げも17%減の391億ドルに留まり、金融部門は29%減、発電機・航空機エンジンなどの一般事業部門は7%の減少だった。GEの稼ぎ頭だったGEキャピタルなどの金融部門の全体に占める利益は前年同期に50%を超えていたのが約20%に縮小。GEは20億ドルの収益改善効果を目指して追加リストラを計画している。中国など好調な新興国市場に大変な期待がかっている。
「中国の成長率減速は終わった」
「成長の再出発」をテーマに開かれたサマーダボス会議では、初日の9月10日、冒頭の挨拶で温家宝首相は「世界経済は大恐慌以来の厳しい経験をしたが、回復を始めた」と指摘。「中国の成長率減速は終わった。われわれは内需拡大に注力し、科学技術の振興や都市、農村の雇用拡大に力を入れる」と強調し、2009年1-7月期の中国のGDPは7・1%増え、農村部で660万人の雇用を創造した」と語った。2008年9月に天津で行われたサマーダボス会議では金融危機のさなかに開かれただけに先行き不安感が漂っていたが、温首相の力強い発言に出席した日本郵船の宮原耕治会長も「中国経済の確かな足取りに手ごたえを感じた」と語った。