国土交通省は、2009年9月15日、民主党の政権公約通りに、すべての高速道路を無料化した場合、二酸化炭素(CO2)排出量は33%増加するとの推計結果を明らかにした。
この試算では、自動車の年間利用者が57.5%増加し、鉄道の旅客数は10.6%、航空の旅客数は4.2%減少する。これまで鉄道や航空を利用していた人が自動車利用に移行することで、CO2排出量が押し上げられるとしている。
民主党中心の新政権は、高速道路を原則的に無料化することを予定。しかし、一方で、同党の鳩山由紀夫代表は、CO2排出量を「2020年に1990年比25%減」という目標を掲げており、この推計結果が出たことで、高速道路無料化とCO2排出量減少との整合性が問われそうだ。
ただ、この試算は、フェリーや物流業界の影響を対象外としている。また、いずれの交通手段も200キロ以上の長距離移動をする場合の影響のみを集計し、高速道路無料化によって一般道の渋滞が緩和された際のCO2排出量などは反映されていない。