農林水産省は、コメの生産調整(減反)の見直しで必要となる財政負担の試算(第2次シミュレーション)を、2009年9月15日に明らかにした。試算によると、民主党がマニフェストに掲げた、減反を緩和する代わりに農家への新たな所得補填制度を導入する案によって生じる財政負担の総額は、今後10年間で最大3兆8000億円に上ることがわかった。
試算は、「強化」「現状維持」「緩和措置」「完全廃止」から9つのケースをシミュレーションした。現状維持の場合、10年間の財政負担の総額は2兆4643億円に上る。一方、完全廃止の場合は、米価の下落で消費者利益は07年に比べて最大1兆4259億円増加するが、財政負担の総額は9兆9821億円に膨らむ。
石破・前農相は減反に協力しない農家にも自給率の低い小麦や大豆などの転作を補助して減反を緩和する一方で、協力農家には一定の所得を補償する案をとるべきとしている。