「絶対に成功しない」と出版界で囁かれたが
さて、有料配信はうまくいっているのか。佐藤さんは09年9月8日付けのブログで、配信初日は約10万円の収入があった、と明かしている。日に10万円の稼ぎは「全く利益が出ないという状況は回避できそう」な数字だそうだ。ただし、「初日でしたので、ご祝儀という意味もあるかもしれません」とも記している。09年9月14日からは、09年10月末に単行本化される「新ブラよろ」第7集分の配信を開始した。佐藤さんは09年9月15日のブログに、
「まだ単行本化されていない作品を配信するのはドキドキします」
と胸の内を明かしている。
佐藤さんの配信ビジネスは、開始前から「絶対に成功しない」と出版業界で囁かれていた。配信と購読料徴収のコストが大きいことや、「漫画は紙で読む習慣がある」という見方からだ。さらに、ネットで満足してしまうと、肝心の単行本が売れなくなる、というのだ。
佐藤さんが「新ブラよろ」を連載している小学館「ビッグコミックスピリッツ」の立川義剛編集長はJ-CASTニュースの取材に対し、10月に発売される「新ブラよろ」の売れ行きに多少の影響があるかもしれないが、一方で、佐藤さんが漫画を配信しているサイトで「新ブラよろ」の連載や、単行本の告知がされているため「相乗効果」につながる可能性もあり、
「今のところ、どう推移していくかはわかりかねます」
と話している。