「ブラックジャック」佐藤秀峰さん 自身のサイトで漫画有料配信

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   「ブラックジャックによろしく」「海猿」などの大ヒット作で知られる漫画家の佐藤秀峰さんが、自身のサイトで、過去に書いた漫画の有料配信を開始した。2009年9月14日にはまだ単行本化されていない「新ブラックジャックによろしく」第7集もスタートした。1日あたりの収入は10万円程だというが、ビジネスとして成立するのだろうか。

単行本1000万部売れても月収は70万円

   佐藤さんが自身のサイトで漫画の配信を始めたのは09年9月7日から。現在配信しているのは、単行本の発行部数が1,000万部を超えている「ブラックジャックによろしく(ブラよろ)」や「特攻の島」「ハードタックル」など6作品。旧作は1話につき10円、新作は30円で1年間購読が可能になる。購読する場合は、最低315円の300ポイントを購入することが必要になる。閲覧できるのは1年間だが、漫画のコピーを取ったり、そのコピーを友達同士で貸し借りしたりするのは自由だとしている。

   佐藤さんが有料配信を始めた理由は2つある。一つは「紙の漫画はもうダメになりかかっている」ということ。出版不況は漫画にも影響していて単行本が売れなくなっている。仮に出版社が無くなってしまった場合、漫画家はどこに発表すればいいのか。その現実性をネットに探るという実験だ。もう一つはビジネス。漫画家の収入が低すぎるとかねてから佐藤さんは主張していた。

   佐藤さんは09年3月から出版社に原稿料と印税の見直しを求めた「漫画貧乏」と題したブログを書いている。連載を持っても原稿料だけでは生活できず、単行本が売れなかった場合は借金だけが残る。佐藤さんも「海猿」の連載中は月に収入が80万円あったが、家賃やアシスタントの給与がかさみ、月に20万円赤字だった。「ブラよろ」は単行本が1000万部以上売れたものの、税金で印税の半分近くがなくなり月収は70万円ほど。

「仮に(今後)単行本が出なかったり、出たとしても全く売れなかったりしたら、5年で(佐藤さんの漫画製作所は)潰れるでしょう」

などと書いている。出版社が原稿料と印税を見直さないなら、独自で出版の道を探ろう、としているのだ。

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