「安いから売れている」という見方を否定
一方、この見方に反発する声も多い。代表的なのが、ブロガーとしても知られる経済学者の池田信夫さん。ブログ上で「唖然とした」とし、「ユニクロや弁当の値下げは貨幣的なデフレではなく、相対価格の変化なので、価格が限界費用と均等化すれば止まる。そして価格が下がれば需要は増えるので、ユニクロのように高い利益が上がる場合も多い」
として、浜氏の議論に反論、「これ以上説明するのもバカバカしい」と切り捨てている。
「ユニクロは日本を滅ぼすどころか、日本企業がグローバル化するロールモデル」
とも述べている。コメント欄にも、浜氏の議論の欠陥を指摘するコメントが数多く寄せられている。
一方、矛先を向けられた形のユニクロだが、業績はきわめて好調で、親会社のファーストリテイリングは連結売上高を当初予想の6600億円から6820億円、営業利益を1010億円から1080億円に上方修正している。ユニクロの月次ベースの売り上げを見ても、6月までは「右肩上がり」だ。
ユニクロの広報担当者は、好調の背景について
「3~5月については、全般的に気温が高かったことが、売り上げ増に繋がったようです」
と分析する。一方、前出の論文で「ユニクロ栄えて国滅ぶ」などと指摘されていることについては、直接の反論はしなかったものの、
「価格帯にかかわらず、ポロシャツやTシャツなど、季節の移り変わりにあわせて、細かい計画を立ててキャンペーンを行ったことが奏功した」
と「安いから売れている」という見方を否定している。