合格者数計画は「ペースダウン」
新司法試験は「受験できるのは法科大学院修了後、5年以内に3回まで」という制限があるだけに、学生にとっては、状況は絶望的だ。
この背景には、ロースクールの乱立がある。総定員は8500人にのぼるが、09年6月の文科省の調べによると、09年春の入学者が入学定員を下回ったのは59校で、全体の80%。うち13校が50%未満だったことがわかっている。一部では「授業料全額を奨学金として給付する」という手に打って出た学校も出現した。
このため、「過剰な定員が授業の質の低下を招いた」との指摘も根強い。さらに、司法試験の要求水準が変わらないことが、今回の低合格率に結びついているとの見方ができそうだ。
政府は、司法試験の合格者数を2010年までに3000人に増やす計画だが、この状況では目標達成は絶望的。日本弁護士連合会(日弁連)も、08年7月の段階で、計画の「ペースダウン」を求める方向に転じている。今後、ロースクールの定員の絞込みが進むのは必至だ。前出のロースクール生も、
「みんな、制度は『国家的詐欺』だと言ってますよ。自分が受験するのは2011年ですが、不安で仕方ありません」
と嘆いている。