「金」にもっとマネーが集まる可能性も?
商品相場の中でも、金価格の上昇には目を見張る。9月に入って急騰し、指標となるニューヨーク先物相場は8日に一時、半年ぶりとなる1トロイオンス1000ドルを突破した。その後、調整もあって下げたものの、10日現在で950~960ドルで推移している。
田中貴金属工業によると、9月10日の小売価格は1グラムあたり3121円だった。前出の、KFTの熊本氏は「金人気は当面続く」とみている。というのも、米国債がまだ値下がりするとの観測があるからだ。
現在、米国債を買い支えている中国やロシア、ブラジルがこぞって買い控え、また米連邦準備制度理事会(FRB)による「買い取り」が10月で期限を迎えることなどが、「下げ要因」になる。米国債の信用力が弱まって、ドルも下落。その資金がさらに流れてくるというわけだ。
熊本氏は「今度1000ドルを越えると定着するだろう」と予測。「安全資産としての金の魅力は他の商品よりも大きい」ので、より金に投資マネーが集まる可能性も否定できないという。